GLOSSARY 用語集

GPS

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GPS

GPS(ジーピーエス)とは、米国が運用する衛星測位システム(Global Positioning System)のことです。スマートフォンや車載ナビは、複数の衛星から届く信号を受信し、端末側で距離(擬似距離)を計算して、現在位置と時刻を推定します。
なお、衛星測位システムの“総称”はGNSS(Global Navigation Satellite System:全球航法衛星システム)で、GPSはその代表例です。

つまり、日常的に「GPS」と呼ばれている位置情報取得は、実際には複数のGNSSを併用しているケースも多い、という点がポイントです。

INDEX

GPSとは

GPSは、人工衛星が送信する電波を受信機(スマートフォンやカーナビ等)が受け取り、受信機側で位置(緯度・経度・高度)と時刻を推定する仕組みです。
一般に「GPS=位置情報」として広く浸透していますが、厳密にはGPSは“米国のシステム名”であり、GPS以外(Galileo、GLONASS、BeiDou、みちびき等)も含めた総称はGNSSと呼ばれます。

※本サイトでは便宜上「GPS」と表記する場合がありますが、技術的な総称は「GNSS」です。

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GPSの歴史

冷戦時代に米国が開発したGPSは、当初は航空機や船舶などの位置を高精度に把握するための軍事技術として整備されました。その後、民間利用が拡大し、現在ではスマートフォンの地図アプリや車載ナビをはじめ、社会インフラの一部として広く使われています。

またGPSは、段階的に運用の整備が進められ、1993年に初期運用(IOC)、1995年に本格運用(FOC)に至ったと整理されることが一般的です。

GPSの仕組み(なにを計算して、なぜ衛星が4機以上必要?)

GPS衛星は、信号の中に「送信時刻」や「衛星の軌道情報」などを含めて地上に送信します。受信機(スマートフォンやカーナビ等)は、それらの信号を受信し、衛星から信号が届くまでの時間差から衛星までの距離(擬似距離)を求め、複数衛星の距離情報を組み合わせて現在位置(緯度・経度・高度)を推定します。

なお、衛星が「地上の対象物の位置」を把握しているわけではなく、位置の計算は受信機側で行われます。

この計算には、位置(3次元)に加えて受信機内部時計の誤差も補正する必要があるため、原則として4機以上の衛星信号が必要になります。

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民間GPSの精度制限(SA)と解除

GPSは高精度な測位が可能な技術である一方、軍事利用との関係から、かつては民生利用の測位精度を意図的に低下させる仕組み(SA:Selective Availability)が導入されていました。
その後、2000年5月2日(日本時間)にSAは解除され、民生利用における測位精度は改善したと説明されています。

ただし、現在でも都市部のビル反射(マルチパス)や遮蔽物、衛星配置、電波が大気を通過する際の遅延など、受信環境の影響で誤差は変動するため、「常に一定の精度が出る」とは限らない点が実務上のポイントです。

GPSの測位誤差や高精度測位(RTK/CLASなど)の詳細は、関連記事「GPSの精度はどれくらい?」で詳しく解説しています。

GPSの拡張(GPS以外のGNSS)

現在では、米国のGPS以外にも、複数の衛星測位システムが運用されています。代表例として、ロシアのGLONASS、中国のBeiDou、EUのGalileo、インドのNavIC、日本の「みちびき(QZSS:準天頂衛星システム)」などが有名で、世界各国が独自の位置情報システムを運用しています。

多くのスマートフォンは複数の衛星測位システムに対応しており、受信できる衛星が増えるほど測位が安定しやすい傾向があります ※ただし誤差要因がゼロになるわけではありません。

GPSの活用

GPSは、航空・海上の運航支援、自動車ナビゲーション、スマートフォンの地図や位置情報アプリなど、さまざまな分野で利用されています。位置を把握できることで、移動の効率化、安全性の向上、位置に紐づくサービス提供(店舗検索、配送、行動分析など)が可能になります。

GPSとGNSS(用語の違い)

ここまで解説してきた「GPS」という名称は、厳密には米国が運用する衛星測位システムの固有名詞です。一方で、衛星測位システム全体の総称としては、「GNSS(Global Navigation Satellite System)」という呼び方があります。

日常会話では「衛星測位 = GPS」と呼ばれがちですが、実際の端末ではGPS以外の衛星測位システムを併用しているケースも多く、「GPS」という言葉が“総称のように使われている”点がポイントです。

日本の「みちびき(QZSS)」と最新動向(7機体制)

日本の準天頂衛星システム「みちびき(QZSS)」は、GPSなどと互換性を持ち、日本上空で高い仰角に衛星が見えやすい設計により、測位の安定性向上に寄与します。

また、2025年2月2日に、種子島宇宙センターからH3ロケット5号機で「みちびき6号機」が打ち上げられ、分離が確認されたことが公表されています。

さらに、みちびきは7機体制の構築に向けて開発・整備が進行中で、公式情報では、7機体制が確立すると日本上空に常に4機以上のみちびき衛星が滞空し、みちびき単独での持続測位が可能になると説明されています。

GPSを元にした人流データの活用

Location AI Platform/Location Data Service

Location AIは、許諾を得たアプリ等から取得される位置情報を、匿名化・統計処理したうえで、商圏分析やエリアマーケティング、観光・都市施策などに活用できる人流データとして提供しています。位置情報には一定の誤差が含まれる前提で、ばらつきや偏りの影響を低減する解析処理を行い、意思決定に使える情報へ整えます。

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