位置情報広告とは
位置情報広告とは、スマートフォンのGPSやWi-Fi、基地局情報などから取得される匿名の位置データ(広告IDベース)を活用し、特定エリアや来訪履歴をもとに広告配信を行う手法です。
たとえば、
「今まさに特定の場所にいる人にだけ広告を配信する」
「過去に特定の場所を訪れたことがある人に広告を配信する」
といったターゲティングの集客施策を打つことができます。
近年は、Cookie規制の進展により「行動データ」に基づく広告の重要性が高まっており、位置情報広告はその選択肢の一つとして注目されています。
- ・位置情報広告とは:スマートフォンなどの位置データを活用して配信する広告手法
- できること:現在地・過去来訪・居住推定エリアなどを基準に広告配信
- ・関連用語:ジオターゲティング広告、人流広告(分析連動型の進化形)

位置情報広告の仕組み
位置情報広告は、広告ID単位で収集された匿名の位置データを活用する仕組みです。
仕組みの流れ
- スマートフォンアプリ利用時に位置情報の取得に同意
- 広告ID単位で匿名データとして蓄積
- 特定エリアや来訪履歴条件でターゲット抽出
- 広告配信
例えば、
- 半径300m以内に滞在したユーザー(過去に訪れた人)
- 過去90日以内に特定商業施設へ来訪したユーザー(来店・来訪履歴のある人)
- 現在特定エリアに現在滞在しているユーザー(今そこにいる人)
- 関係性の高い店舗や施設に訪れている人(生活導線に関連が高い人)
といった条件設定が可能です。
以下その種類と内容をグラフで紹介します。
位置情報広告の主な種類
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| リアルタイム型 | 現在地を基準に広告配信 |
| 来訪履歴型 | 過去の来訪履歴を基準に配信 |
| 居住地推定型 | 自宅エリア推定に基づく配信 |
| エリア指定型 | 市区町村・郵便番号単位で配信 |
上記表のように、用途や目的によって使い分けたターゲティング広告が可能です。
位置情報広告の活用例
例えば、とある居酒屋があったとします。
その居酒屋の近くでは有名なアーティストがライブを行っていて、多くの人が押し寄せている状態です。
居酒屋としては、ライブ終わりに自分のお店へ多くの人に訪れて欲しいですよね。
そんな時に、位置情報広告を活用することで「イベント会場に来ている人」にむけ、「ライブ終わりに居酒屋はどうですか?今ならファーストドリンク無料」といった訴求をスマートフォン広告で配信することができるのです。

その他にも、ビールイベントの開催に向け、「昨年、ビールフェスに参加した人」に対して「今年のビールフェス開催のお知らせ」といった訴求や、「関西に住んでいる人で東京駅を利用した」人に対して「東京駅周辺のホテルの案内」といった訴求で広告配信を行ったりすることもできます。
こういった例のように、ターゲットの現在地や居住場所、過去に訪れた場所をキーにして広告配信ができるのが位置情報広告の特徴で、効果的に集客できるメリットがあります。
位置情報広告のプライバシーについて
位置情報広告においては、「自分の行動が特定されるのではないか」といったプライバシーへの懸念が挙がることがあります。
現在、位置情報広告の多くは、個人を特定できる情報(氏名・電話番号・メールアドレスなど)を含まない形式のデータを利用しています。
一般的には、以下のような仕組みで取り扱われます。
- スマートフォンアプリ利用時などに、ユーザーが位置情報の取得に同意(オプトイン)
- 広告配信用の「広告ID(注釈1)」単位で匿名化されたデータとして管理
- 個人を特定できない統計的な単位で活用
注釈1. 広告IDとは、端末ごとに割り当てられる識別子であり、氏名などの個人情報とは紐づいていません。また、ユーザーは端末設定から広告IDのリセットや広告トラッキング制限を行うことも可能です。

その上で、位置情報広告は不特定多数に一律で広告を配信するものではなく、特定エリアへの滞在傾向や来訪履歴といった「行動傾向」に基づいて配信対象を設計する広告手法です。
例えば、ある商業施設の周辺に一定時間滞在していたと推定されるユーザーの集まりや、過去一定期間のうちに観光地を訪れた傾向があると分析されるユーザーの集まりなど、統計的に分類されたグループ単位で広告配信が行われます。
重要なのは、これらはあくまで匿名化されたデータをもとにした「傾向」の分析であり、特定の個人の移動履歴を閲覧したり、継続的に個人を追跡したりするものではないという点です。広告配信は、個人そのものではなく、一定の条件を満たすと推定されるユーザー群に対して行われます。
このような仕組みのもと、位置情報広告は企業の販促活動や自治体の観光施策など、さまざまな取り組みに活用されています。ただし、その運用にあたっては、個人情報保護法をはじめとする関連法令や業界ガイドラインを遵守し、利用目的やデータの取り扱いについて透明性を確保することが重要です。
位置情報を活用した分析と広告の連動
一般的に位置情報広告は、スマートフォンアプリやWebサイトの広告枠に配信されるデジタル広告を指します。現在地や来訪履歴を基準にターゲティングを行い、オンライン上で広告を届ける仕組みが中心です。
一方で、近年は「分析」と「広告配信」を組み合わせた活用も広がっています。
位置情報ビッグデータを分析することで、店舗や施設に訪れる来訪者の居住エリアや、来訪傾向の強い地域特性を把握することが可能になります。
たとえば、ある店舗に来訪する人が多く居住しているエリアや、競合店舗と併用している傾向が見られるエリアなどを統計的に抽出することで、広告展開の優先地域を可視化できます。
このような分析結果は、デジタル広告だけでなく、ダイレクトメールやチラシなどのオフライン施策にも応用することができます。住所コード単位でエリアを絞り込み、対象地域へ集中的に広告を届けることで、より合理的な広告配分を検討することが可能になります。
重要なのは、「どこに配信するか」を感覚ではなくデータに基づいて設計できる点です。
位置情報を活用した分析は、広告配信エリアの選定を客観的に支える手段の一つといえるでしょう。

地域を絞った広告配信という考え方
位置情報データを活用した分析では、特定条件に基づくエリア抽出が可能になります。
例えば、自店舗と競合店舗の双方に来訪傾向が見られるユーザーが多く居住する地域や、一定期間内に来訪履歴が確認されるユーザーが多い地域など、複数の条件を掛け合わせた分析が行われます。
その結果をもとに、対象地域へ広告配信を行うことで、広告接触の可能性が高いエリアに優先的にアプローチする設計が可能になります。これはオンライン広告に限らず、地域を限定したDM配布や折込広告などのオフライン施策にも応用できます。
なお、これらの分析および広告設計は、匿名化された統計的データに基づいて行われます。
特定の個人を識別したり、個人の移動履歴を直接参照したりするものではありません。

より実践的な活用について
位置情報広告の具体的な活用方法や、分析結果をどのように広告配信へつなげるのかといった実践的な内容については、以下の解説ページで詳しく紹介しています。
▼ 位置情報広告の活用方法についての記事
分析と広告を連動させる取り組みは、「人流広告(Flow Ad)」といった形でも展開されています。
用語としての理解に加え、実務での活用方法を知りたい場合は、あわせて参考にしてみてください。
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